素晴らしきこの世界に乾杯(サルーテ)!
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恭介に資料をだした次の日、180度変わって戻ってきた。あの資料のどこが悪かったんだろう。いくら考えても答えは出ない。
そんな考えは置いて、食事係だった私と亮太は暇をしている。残る仕事はパーティー直前にテーブルセットをするだけだ。クリスマスパーティーまでは後六日しかない。他の部署は準備も大変なんだろう。
「ねぇ、亮太」
「ん、何だ?」
亮太はにらめっこしていた資料から顔をあげる。数字がいっぱい並んでるけど、頭痛くならないのかな?
「あたしたちさぁ、この先暇だよね」
「あぁ、分担は終えたからな。先に言っておくが、俺はまだ会計の仕事が残ってるからな」
亮太は生徒会の会計用紙を机に置くと溜息を吐いた。仕事、終わったのかな。
「恭介とかさ、怜君達の仕事手伝わない?」
亮太が何か言ってたけどまぁいいや。取り敢えず暇を持て余しているのは時間が勿体ないと思う。書記の私は亮太の様な仕事すらないのだから。
「だから俺は会計の仕事があるって言っただろ」
「エー、でも暇なんだもん」
亮太が溜め息を付いた。日頃大変な思いをしていることがうかがえる。私だけ楽していて良いのかな。
取り敢えず私はまず自ら率先して取り組める事を捜すことにした。亮太の目がいらぬ事に関わるなって言ってるみたいだけどいらぬ事じゃないと思うんだよね。
「ねぇ、恭介と有理ひ何やってるの?」
「ああ、あいつ等は今頃計画の最終段階の企画と当日の進行予定を考えてるだろ…… 今が一番大切だからあいつ等の所には行かない方がいい」
ふぅん。亮太はなんでも知ってるね、なんて言ったら「美緒が知らなすぎるだけだ」って言われそうだ。
「じゃあ、俊樹君達は?」
「筧?ああ、あいつ等は仕事サボってイタズラを仕掛ける事に専念してるだろ」
それじゃ、手伝う前に手伝いどころじゃなくなるから止めて置こう。
「誰も手伝うこと無いのかな…… あ、怜君達は!?確か装飾だよね」
「あー、そうだったかもな。で、手伝いに行くのか?」
亮太が怪訝そうな顔をしている。亮太はそんな顔ばっかりするから疲れが溜まってると考えてる私の意見もあながち間違っていないと思う。さっきからずっとこの顔だ。
「どうせ怜君達の企画書は恭介が没にしたと思うんだよねー。だから、新案制作のお手伝いに!」
恭介だもん。やりかねない。それに、あの怖い拓哉君と仲良くなれるチャンスだ。
「それじゃ、早速行って来まーす」
「待て、美緒」
私の行動に問題があったかな?上げかけた腰をもう一度椅子の上に戻して亮太を見る。
「拓哉達の居場所がわかるのか?」
あ、一番大切な事を忘れてた。
「その顔からすると知らないみたいだな。怜は仕事、晴輝は早退、拓哉は駅前の喫茶店でサボりだ」
「……亮太っていろんな事を知ってるんだね」
私が感心してそう言うと亮太は短い溜息を吐いた。また呆れられたのかな。
「三人とも、俺の所にメールをよこすからな。有理や恭介の所に送れば良いものを」
そう言うことか。頼りないお父さんな恭介とか怖いお母さんな有理より、優しいお兄ちゃんの亮太に連絡しちゃう気持ち、わかるなぁ。
「じゃ、取り敢えず一番返信率の高そうな……」
拓哉君にメールっと。直ぐに携帯の着信音がなる。よほど暇なのかな?
「なになに…… 『手伝って下さるなら浅井先輩から決定稿を貰って置いて下さい。美緒先輩』……ってねぇ」
亮太は笑ってるし。私は君のパシリですか。
What we can do…
(私たちにできることは皆の使い走り…)
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Profile:MIO SHIMIZU
・清水美緒(シミズミオ)
・3年C組16番、生徒会書記
・2月4日生まれ、AB型
・フルート奏者、有理と仲が良く成り行きで生徒会入り
・どこか抜けている自然体の天然キャラ。トップクラスの空気の読めなさを生かし、日々生徒会を和ませているが本人は全く意図していない

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取り敢えず、この二日間でクリスマス企画の原案を回収するまでには至ったんだが、
「ったく、どいつもこいつも使えねぇな。どうやったらこんなショボい案が出るんだっての」
まず、一年の装飾案。これは明らかに手を抜いてある。赤と緑と金と銀の色鉛筆で線が引いてあるだけだなんて小学生でもできる。まぁ、キラキラした紐っぽい飾りはあるが、これは酷すぎるだろ。
で、二年の進行企画。これは奴らが悪戯をするためだけにできている。有理が沙理菜を信用してるから任せたんだが、やはりあのコンビが企画を作ったか。
「恭介、お疲れ様。何か飲み物でもって入れましょうか?」
唯一の救いは有理が秘書みたいに働いてくれることだな。ま、腹黒くて容赦ないから困るんだが。
「あぁ、頼む」
ふと時計を見ればもう三時間近く生徒会室にこもってるみたいだ。そう言えば今日はテスト返しだかなんだかの日だな…… だから他の役員はいないのか。
「恭介、はい」
「嫌みか?」
渡されたのはお湯が入ったカップとココアの粉とスプーン。ココアの粉をそのまま渡すって嫌み以外の何物でもないだろ。
「私も仕事があるのよ。貴方みたいに三時間も書類とにらめっこ出来るほど暇ではないわ」
「わかった、わかった…… ありがとう。後一時間でこの書類終わらせるから待っててくれ」
そう言うと有理は「絶対よ」と腹黒い笑みを残して去っていった。ったく、寿命が縮むってんだ。
で、まずは装飾原案か。さっきウチの学校の備品を見たら結構色々な物が置いてあった。七夕で代用した星飾りとか、文化祭のあまりの風船とか。その横にあった大量のモデルガンなんて俺は見てない…… ああ、見てないことにする。
「ざっとこんな感じかぁ」
こう書類とにらめっこしていると自然と独り言がでてくる。危ない奴だな、俺。
「やっほーって恭介!?」
「なんで驚くんだよ、美緒」
生徒会長が生徒会室にいるのは当たり前だろ。しかも“やっほー”って明らかに人がいることを意識してるはずだろう。
「ダイジョウブー?疲れてるみたいだよ」
コイツには空気を読むっていう技術はないのか。いや、コイツに高等な技術を期待した俺が馬鹿なのか。
「大丈夫じゃねぇよ。見ろ、この書類の適当加減を」
「んー? ……あはは、怜君達と翔君達か!!駄目だよ、あの子達に任せちゃー」
いや、笑うな美緒。笑い事じゃないんだ。
「お陰で後一時間で有理の所に持って行かなきゃならねぇってのに……」
「だったらいっそ、この案でいいじゃん。その場で臨機応変にやれば」
そう言う問題じゃないんだが、どの言葉を用いればうまくこいつに伝わるだろうか。
そんな事を考えていたら俺はある大切なことを思い出した。
「そう言えばお前、パーティーの食事の件はどうなってんだ?」
「ああ、忘れてた。その資料を渡しに来たんだっけ?」
そういう大事なことは忘れるな。そう思ったが口に出さずに資料を受け取る。美緒だから大丈夫だとは思うが……
「ってなんだコレ!!」
「ん?あたしのお勧めの詰め合わせだよ」
資料を見る限り菓子、菓子、菓子…… 明らかに食事じゃないだろ、これは。
仕方ない、全て一から仕切り直しだ。
About ship!
(船を新たな針路に向けよ――船長は勿論俺だっ!)
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Profile:KYOUSUKE ASAI
・浅井恭介(アサイキョウスケ)
・3年A組2番 生徒会会長
・4月17日生まれ、B型
・クレー射撃日本代表、何故か人気が高いため生徒会入り
・俺様な生徒会長兼生徒会のトラブルメーカー。突拍子も無い言動と無駄な行動力を持ち合わせている


「で、誰がそれをやる訳?」
拓哉の一言でその場の空気が固まった。
俺等、通称“一年トリオ”の分担は校内装飾。体育館を除く全校の装飾を担当する事になった……のは良いんだけど、
「俺ムリ無理!有理先輩とか近づいただけで捻り潰されちゃうから!!」
「俺パス。あの人面倒だから」
「って俺一人!?無理無理、流石にそれは無理だって」
とまあこの通り、装飾原案を誰が生徒会の魔王……否、女帝、柏木有理先輩の所に持って行くかで揉めている。
「つーか、怜行ったら?あの人、女好きじゃん」
「そうそう、怜が行ったら問題ナッシングだ」
あれ、もしかして、俺四面楚歌状態?
「いや、ちょっと待て。まず拓哉、語弊を招く言い方はするな。晴輝、問題ナッシングは古い。そして二人して俺に押し付けようとするな」
俺はお前らのツッコミかい。いや性格上、ボケにはならないけどさ。でも押し付けられるのはごめんだ。
「だって怜が一番被害がないだろ。良いじゃんかー」
晴輝が駄々をこねる。あんたはガキか。 ……ガキだな。拓哉に至っては興味無いとでも言いたげに欠伸をした。俺にとっては死活問題なのに。
「でも怖いものは恐いって。被害の大小は関係なく」
「だったらいっそ、桜井が行って玉砕してくれば。骨くらい拾ってあげるよ」
拓哉が面倒臭そうに資料を晴輝の前に置いた。
「な、それって俺に一回死んでこいと……」
「ん、そう言うこと」
いや、毒舌拓哉君は恐ろしいね。コイツならあの魔王様々も倒せそうな気がする。
「な、なな…… なんですかー!!俺は死にましぇーん。つーか、死にたくありましぇーん!」
「いつの時代のギャグだよ」
晴輝のへんな言葉に思わず突っ込んだ。拓哉に至っては呆れている。晴輝とつるんで二、三年になるが、いまだにこいつの頭の中は理解できない。 ……理解したいとも思わないけどね。
「てかさ、拓哉が行けばいいじゃん?有理先輩とやり合えるのはお前だけなんだし、ボツくらって考え直すの面倒だしさ。ちょっくら行って原案通してきてよ」
我ながら名案。拓哉のどす黒いオーラが出てるけど、有理先輩のとは違って操りやすいし。ここぞ、俺の腕の見せどころってね。
「そうだなぁ…… だったら帰りにカレーパン奢るよ」
ほら、少し反応した。拓哉は本当に無類のカレーパン好きだよね。後一押しだな。
「ほら、駅前の君のお気に入りの所で。晴輝が奢ってくれるってさ」
「ちょ、怜!?」
「ふーん…… わかった。カレーパン三つで交渉成立だ。良いだろ」
うん、扱いやすいな。晴輝が猛烈に講義してるけど聞こえない、聞こえない。だって拓哉に提示したカレーパンって高いんだよ。ぼったくりかっての。
「晴輝五月蝿い。じゃあ、晴輝が逝くか?」
拓哉を真似してちょっと冷たく晴輝を見た。すぐさま晴輝は小さくなる。
「うっ…… わかった、だけど二こまでだ。残りの一こは怜が払えよー」
ちっ、仕方がないか。“お金に命は変えられない”って言うしな。
「じゃ、交渉成立ってことで」
よし、平和的に解決したな。
そう言えば、さっきから不穏な空気がしてる気がするのだけど……
「で、原案は出来たのかしら?」
後ろを振り向きたくないです。でも背中から徐々に黒さを増す空気がのし掛かってるのがわかる。
「有理……先輩」
「随分と楽しそうなお話をしていたようだから、原案はさぞ素晴らしいものが出来たようね。」
有理先輩の恐い視線から逃げるために隣を見ると拓哉の姿はなく、机の上に原案が乗ってあるだけだった。アノヤロウ、カレーパン権放棄して逃げやがったな。俺も逃げる方法考えなきゃ。博打打つしかないかな……
Sink or swin
(一か八かの大博打……勝てる気がしない)
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Profile:REI ASAKURA
・朝倉怜(アサクラレイ)
・1年B組41番(編入)、生徒会役員
・8月5日生まれ、B型
・プロの大道芸人として活躍中。晴輝の推薦で生徒会に入る
・明るく負けず嫌いで、晴輝のストッパー。小さい頃から男友達のが多く一人称が俺になり、スカートが嫌いという理由から男子制服着用


「という計画なので、各自しっかり準備をするように」
今日は12月15日、つまり今学期最大のイベントまであと10日まで差し迫ったという日。
つい先程まで期末考査最後の科目を受けていたのが嘘みたいな速さで、今期最大のイベント――クリスマスパーティーについての分担が決まった。こういうことだけじゃなくてその頑張りを少しでも考査に使えば良いのにね、西園寺とか西園寺とか西園寺とか……
「よっしゃ!嫌なテストも終わったし頑張ろうぜ」
ま、過ぎたことをとやかく言ってもしょうがない。西園寺は元からこうだからね。だから私も割り当てられた役割をこなそうと思う。つまり……
「なんで私はあんた達と買い出しに行かなくちゃならないわけ……」
「そんな事言ってもしかたないだろ。決めだの有理先輩だし」
「そうそう。それを俺等に当たるのは理不尽だぃ」
結局同学年のメンバー、筧と西園寺と買い出しにきている。しかも膨大な量を。ま、有理先輩がこの二人のお目付役として私をこの役割にしたのが嫌って程分かってるから何も言えないんだけどね。
「それに、嫌ならついてこなけりゃいいだろ」
それが出来れば文句なし何だけどね。
「出来ねぇなら文句なんて言うんじゃねーよ」
言いたくもなるわよ。
「だったら言えば?じっくり聞いてあげるけど」
って……
「あたし声にだしてた?」
「おぅ!バッチリ」
西園寺に言われ、すがるように筧をみれば、口角を上げて笑った。声に出していたなんて相当疲れてるみたいね。
「だったら遠慮なく言ってあげるけど、大体その荷物の多さは何なのよ!」
二人の手には大きなビニール袋が両手に一つずつ…… 有理先輩から頼まれた物は現在私が持っている。
「買いにいけって言われた物はコレだけよね?」
「買い出しついでに必要な物を買ってきただけだ。別に構わないだろ」
筧が当然だという様に言う。買い出しのついでなら構わないけれど、明らかに頼まれものほうがついでだった。
「そうそう。それにその位重くねぇだろ?たまには重いものを持って歩いた方がダイエットになるぜぃ?」
西園寺、それは女性(レディー)に取って禁句よ。というか失礼。一発蹴るくらい構わないよね。
「ねぇ、筧、」
「あぁ、構わない。あの馬鹿に灸を据えてやってくれ」
「私のお灸は痛いわよ」
筧も西園寺と同類だけれど、常識とデリカシーは人並みにある。それに比べて西園寺は……
「なぁ、俺を除け者にして何話てんだぃ!俺も……ゴブッ」
デリカシーの欠片もない。私は綺麗に回し蹴りを西園寺の横腹に決めた。まぁ、外すわけが無いけど。
「へぇ、やるな」
「私が生徒会に入った時、有理先輩が教えてくれたのよ。護身のためって」
良く分からないけれど、私は最初から有理先輩のお気に入りらしい。色々な理由をこじつけては私に護身術を覚えさせた。本当にに私の為だったのか今でも疑問に思うけど。
「つまり無理矢理にって事か。 ……でも、一番使わなくちゃならない奴には使えないんだろ」
「当たり前。有理先輩に回し蹴りなんてできる訳がないじゃない」
そりゃ、気に入って貰えるのは嬉しい。光栄だし。でも、物事には限度があることを知って頂きたいものね。
「で、紗理奈。悪いんだけどコイツの荷物一つだけ持ってくれないか。俺だけじゃ持ちきれないから」
人手が足りないって大変なのね。ま、西園寺を気絶させたのは私だから……
「いいよ。早く学校まで戻ろう?」
「悪いな。後でコイツに何か奢らせるから」
取り敢えず西園寺の荷物を持って筧と歩き出す。毎日が本当に疲れる…… 楽しいのは認めるけど。
Bottoms up!
(そんな私に乾杯を)
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Profile:SARINA FUJIOKA
・藤岡沙理菜(フジオカサリナ)
・2年B組28番、生徒会役員
・3月3日生まれ、O型
・副会長の有理が突発的に開いたミスコンに友人に無理矢理出場させられ優勝し、(有理に)無理矢理生徒会に入れられる
・生徒会唯一の常識人(自他共に認める)


『僕らのChristmas!!』
一年最後のビックイベント、
“クリスマス”
誰もが首を長くして待っているこのイベントの
舞台裏を覗いてみると……
日程表
1.Bottoms up! 藤岡紗理奈 (12/15)
2.Sink or swin 朝倉怜 (12/16)
3.About ship! 浅井恭介 (12/17)
4.What we can do… 清水美緒 (12/18)
5.Cruelty and Sadness 柏木有理 (12/19)
6.The link 筧俊樹 (12/20)
7.under cover of night 桜井晴輝 (12/21)
8.The sacrifice attendant on war. 西園寺翔 (12/22)
9.against the clock 皆川亮太 (12/23)
10.countless stars in the sky 平田拓哉 (12/24)
11.un aller simple-“片道切符”(12/25)
12.僕らのChristmas!!後記
お題配布元:アリスの灰色の空様
(
http://id3.fm-p.jp/130/adlriecaem/)
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聖ミネルヴァ学院生徒会とは
聖ミネルヴァ学院では生徒達の自主を目的に、生徒達の中から各方面でより優れていると思われる者を役員として生徒会を組織し、大きな権限を持たせている。
生徒会の決定はそのまま学校の決定となるため、生徒会の責任は大きく、責任を果たせない場合は退学になることもある。
そんな生徒会では本年度、十人のメンバーで学校を動かしている。
生徒会メンバー
会長: 浅井恭介 (3年)
副会長: 柏木有理 (3年)
書記: 清水美緒 (3年)
会計: 皆川亮太 (3年)
役員: 筧俊樹 (2年)
西園寺翔 (2年)
藤岡沙理菜 (2年)
桜井晴輝 (1年)
平田拓哉 (1年)
朝倉怜 (1年)
