今日は12月20日、夢の祭典まであと五日……なのはいいんだが、此処に来て問題が一つ。
「筧せんぱーい、そこおさえて下さーい!」
何故か一年トリオと装飾をしている。確か俺等の分担は買い出しと当日の進行案と進行役だよな。確かに終わったら手伝わなきゃならないが、
『分担が変わった。お前らは明日から一年と装飾に回れ。進行案は俺が纏める』
と一昨日いきなり浅井先輩に言われて俺達は今此処に至る。俺達的には物凄く納得がいかない。
「あれー、筧ぃ、紗理奈は?あいつサボリかよ」
「いや、紗理奈は別の仕事だ」
恐らく、有理先輩の手伝いだろう。又は俺等に愛想を尽かしたか。願わくば前者でいて欲しいが…… まあ、俺等のやってきた事を考えれば後者も十分有り得る。そんな事はどうでも良くて、兎に角、紗理奈もいないし、俺等でこの仕事を終わらせないとならないわけで、
「めんどくせぇ……」
とまぁ自然と溜息が出てくる。
「筧先輩、俺の持ち分終わったんで帰ります」
ちょ、待て。今聞き捨てならない言葉が聞こえたんだが。
「待て、拓哉。それが終わったら次はコレだ。まだ、終わるには早いぜ」
手先の器用な拓哉はは切り紙の装飾を作っている。彼の手には十数枚の飾りがある。飾りの下書きは昨日一日で有理先輩が数十枚分作ったって言うんだから驚きだ。
取り敢えず拓哉を帰さない為にまた十数枚の髪を渡せば、奴はチッと舌打ちする。
「てか何で二つに分けたりして効率を上げようとか考えないんですか」
それは考えた。二年が二人いるから分けた方が早いのはわかっているし、そうしようかと思った。だが……
「翔に任せられると思うか?」
否、無理だ。それが俺の結論。適当に終わらせた事でやり直しを食らうのが目に見えてわかる。それに巻き込まれるのはごめんだ。
「納得。これが最前の手って事っすか」
そう言って拓哉は再び俺が渡した紙で装飾を作る仕事に取りかかった。納得された翔が不憫になってきたな。何も知らない本人は何が面白いのか豪快に笑ってるし。
「筧ぃー、ほら見てみろよ!終わったぜ!」
「まだだ、此処が終わったら別の場所があるんだよ。終わったんなら荷物纏めて三階ロビーに移動だ」
何というか、4人の子を持った気分だ。 ……自分で言って悲しくなってきたぜ。
「筧先輩、」
名前を呼ばれ振り向くと、既に荷物を纏めた拓哉が立っていた。
「三階ロビーですよね。先に行きます」
「そうだがサボるなよ」
俺はそれが心配だ。
「サボりませんよ。物凄く不本意だけど、俺もこの雰囲気好きみたいなんで」
それだけ言うと、拓哉はスタスタ階段を上っていった。長年――っつってもたかが知れてるが――一緒にいるとこんなこともあるんだな。
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(君と僕との大事なつながり)
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Profile:TOSHIKI KAKEI
・筧俊樹(カケイトシキ)
・2年C組13番、生徒会役員
・6月23日生まれ、O型
・剣道全国大会出場、浅井の考えなしの推薦により生徒会入り
・西園寺と二人で様々な悪戯をしている。主なターゲットは教師と生徒会長の浅井。一年トリオと仲が良く、皆川に次ぐ保護者的存在

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