「という計画なので、各自しっかり準備をするように」
今日は12月15日、つまり今学期最大のイベントまであと10日まで差し迫ったという日。
つい先程まで期末考査最後の科目を受けていたのが嘘みたいな速さで、今期最大のイベント――クリスマスパーティーについての分担が決まった。こういうことだけじゃなくてその頑張りを少しでも考査に使えば良いのにね、西園寺とか西園寺とか西園寺とか……
「よっしゃ!嫌なテストも終わったし頑張ろうぜ」
ま、過ぎたことをとやかく言ってもしょうがない。西園寺は元からこうだからね。だから私も割り当てられた役割をこなそうと思う。つまり……
「なんで私はあんた達と買い出しに行かなくちゃならないわけ……」
「そんな事言ってもしかたないだろ。決めだの有理先輩だし」
「そうそう。それを俺等に当たるのは理不尽だぃ」
結局同学年のメンバー、筧と西園寺と買い出しにきている。しかも膨大な量を。ま、有理先輩がこの二人のお目付役として私をこの役割にしたのが嫌って程分かってるから何も言えないんだけどね。
「それに、嫌ならついてこなけりゃいいだろ」
それが出来れば文句なし何だけどね。
「出来ねぇなら文句なんて言うんじゃねーよ」
言いたくもなるわよ。
「だったら言えば?じっくり聞いてあげるけど」
って……
「あたし声にだしてた?」
「おぅ!バッチリ」
西園寺に言われ、すがるように筧をみれば、口角を上げて笑った。声に出していたなんて相当疲れてるみたいね。
「だったら遠慮なく言ってあげるけど、大体その荷物の多さは何なのよ!」
二人の手には大きなビニール袋が両手に一つずつ…… 有理先輩から頼まれた物は現在私が持っている。
「買いにいけって言われた物はコレだけよね?」
「買い出しついでに必要な物を買ってきただけだ。別に構わないだろ」
筧が当然だという様に言う。買い出しのついでなら構わないけれど、明らかに頼まれものほうがついでだった。
「そうそう。それにその位重くねぇだろ?たまには重いものを持って歩いた方がダイエットになるぜぃ?」
西園寺、それは女性(レディー)に取って禁句よ。というか失礼。一発蹴るくらい構わないよね。
「ねぇ、筧、」
「あぁ、構わない。あの馬鹿に灸を据えてやってくれ」
「私のお灸は痛いわよ」
筧も西園寺と同類だけれど、常識とデリカシーは人並みにある。それに比べて西園寺は……
「なぁ、俺を除け者にして何話てんだぃ!俺も……ゴブッ」
デリカシーの欠片もない。私は綺麗に回し蹴りを西園寺の横腹に決めた。まぁ、外すわけが無いけど。
「へぇ、やるな」
「私が生徒会に入った時、有理先輩が教えてくれたのよ。護身のためって」
良く分からないけれど、私は最初から有理先輩のお気に入りらしい。色々な理由をこじつけては私に護身術を覚えさせた。本当にに私の為だったのか今でも疑問に思うけど。
「つまり無理矢理にって事か。 ……でも、一番使わなくちゃならない奴には使えないんだろ」
「当たり前。有理先輩に回し蹴りなんてできる訳がないじゃない」
そりゃ、気に入って貰えるのは嬉しい。光栄だし。でも、物事には限度があることを知って頂きたいものね。
「で、紗理奈。悪いんだけどコイツの荷物一つだけ持ってくれないか。俺だけじゃ持ちきれないから」
人手が足りないって大変なのね。ま、西園寺を気絶させたのは私だから……
「いいよ。早く学校まで戻ろう?」
「悪いな。後でコイツに何か奢らせるから」
取り敢えず西園寺の荷物を持って筧と歩き出す。毎日が本当に疲れる…… 楽しいのは認めるけど。
Bottoms up!
(そんな私に乾杯を)
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Profile:SARINA FUJIOKA
・藤岡沙理菜(フジオカサリナ)
・2年B組28番、生徒会役員
・3月3日生まれ、O型
・副会長の有理が突発的に開いたミスコンに友人に無理矢理出場させられ優勝し、(有理に)無理矢理生徒会に入れられる
・生徒会唯一の常識人(自他共に認める)

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