「日本最初の総理大臣は」
「伊藤博文」
「正解。なら、下関条約を結んだ外相は」
「え……陸奥宗光?」
先程から何度となく繰り返される問答。質問をしてくる猩々緋の手には日本史の教科書が載せられている。
「そう。じゃ、次な。原敬は何党?」
「え……えと、自由党?」
「馬鹿、立憲政友会だ」
横で寝転んで新聞を見ている熨斗目に訂正される。なんだか微妙な気分だ。
「何度間違えてんだよ。俺だってこれくらい覚えられんぞ」
「うるさい!私だって必死なんだってば……」
熨斗目の言うことはもっともだ。何しろ、日本史の一問一答を始めてからかれこれ三時間経つ。全くの無知だった熨斗目だって覚えているのだから、普通の人なら完璧なのだろう。
「まぁ、熨斗目の言うことも一理はあるな。試験があるならもう少し頑張らなきゃなぁ」
「近現代苦手なんだよ……」
理由は分からない。けれど、近現代史が頭に入らない。しかし、日本史のテストは全範囲からの出題ということで、出来ない時代があれば命取りとなる。
「本当だよな……鎌倉幕府三代将軍は?」
「源実朝」
「後醍醐天皇が南朝を開いた場所は?」
「吉野」
「室町時代に侍所の所司に……」
「四職ね。因みに山名氏、赤松氏、一色氏、京極氏」
武家社会は得意分野だ。この時代だけは日本史の先生に誉められるだけの点を取ることができたから。
「この時代は良く出来るよな。戦国時代の始まりとされる人物」
「北条早雲が下剋上して小田原に入ってからでしょ。ちなみに家法は早雲寺殿二十一箇条」
「1560年に起こった戦い」
「え、桶狭間の戦いの事?織田信長が今川義元を倒した?」
「ああ。じゃ、伊達家の家法は?」
「塵芥集」
この時代だけがテスト範囲ならば、間違いなく高得点が可能だろう。
「それじゃ……王政復古の大号令の時の天皇は」
「えっ……ええと……」
「馬鹿か。江戸の次の時代はなんだよ」
「えっ……明治?」
「そ。明治天皇。この本によれば、この時から元号が一世一元になったみたいだ」
時代が変わったとたんこの出来だ。三日後のテストが不安でならない。
「ま、三日あれば、馬鹿でもどうにかなるだろ」
そうなれば、良いのだが。
****************************
日本史選択の友人のぼやきをネタにして、
茜さんのテスト勉強
茜は日本史で、武家社会だけが異常にできると信じてます!
点にしたら武家社会>貴族社会>近現代
熨斗目は聞いていて覚えてしまった感じ
テストをやらせたら近現代史だけ完璧(笑)
猩は……測定不能
電子辞書と頭の中の古い知識の日本史…あってるだろうか?

PR