「えー、何でですかぁー!」
室内にまだ声変わりしていない少年独特の高い声が響く。私は溜息を吐いて彼を見た。彼がビクッと肩を震わせたのは、私の日頃の行いの所為だろう。
聖ミネルヴァ学院一年B組所属の生徒会役員、桜井晴輝。学業と共にマジシャンとしての仕事を両立して……否、マジシャンの仕事を中心に学業をこなしていると言った方が良いかしら。日頃私を恐れているとしか考えられない行動をとる彼が私に直談判と言うから何かと思えば、
「駄目なものは駄目です」
一日で良いから副会長にさせてくれと言うなんとも滑稽なお願い。仕事が無いならまだしも、師も走るこの時期は猫の手も借りたい程の忙しさ。到底、彼に任せられるものではない。
「えー、一日だけじゃん!」
彼の前に山積みになった書類を置く。
「この季節は仕事が多いんです。ですから無理……」
「じゃあ、誕生日プレゼントに一日だけ! お願い、先輩」
ふとカレンダーを見れば、そこには確かに彼の誕生日が記されている。しかし、万が一口を滑らせでもしたら私の仕事は終わらなくなるだろう。今でさえ終わるか終わらないかの瀬戸際だと言うのに。
「さっさと仕事を終わらせなさい。只でさえクリスマスやら忘年会やら年度末会計やらで立て込んでいるのですから」
行事の好きなかれだからだろう、年末に向け積もる行事の名前を出すとうっと顔を歪める。しかし、顔を歪めただけで一向に私の前から動こうとしない。どれだけこの事に執着心を持っているのだろうか。まったく。
「わかりました。もし、貴方が仕事をきっちりと終わらせることが出来たなら、この副会長専用の椅子に座らせてあげましょう」
たったこれだけの事で顔を綻ばせて喜んでいる。本当に単純なのだから。これだけのことで仕事がはかどるのなら、安いものだ。
「椅子に座るだけですからね」
「やった! 先輩、俺頑張ってきますね」
嬉しそうに仕事に戻るかれの背中に「まぁ、誕生日ですから。おめでとう」と呟いた。
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陽輝ハピバ
陽輝は自ら誕生日アピールします、絶対
仕事が忙しかろうと、暇だろうと誕生日アピールします
で、今回はどうしても副会長の肩書きが欲しかったお子様陽輝
見事に有理様に丸め込まれています(笑)
陽輝くんは勝手に動いてくれるから書きやすくも書きにくくもあります
取り敢えず、Happy birthday!桜井陽輝
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オマケ
「何故そんなにそこにすわりたいの?」
「だって、かっこいいじゃないですか! 会長とか副会長って。だから一回なってみたかったんですよ」
本物の馬鹿というのははきっと彼の事をいうのだろう。

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