普段と違って誰もいない生徒会室。テスト前だから当たり前なのだが、変な気分だ。
「流石の恭介や有理も今日はいないか」
皆川先輩が呟いた。俺と同じ事を思ったのだろう。鍵が掛かってたのだから、誰もいないのは当たり前なことだが。
「わざわざありがとうございます」
この忙しい時に生徒会に来たのは皆川先輩に数学を教えてもらうためだ。自分も忙しいだろうに、テストがある度に俺のために時間を裂いて勉強会を開いてくれるなんて、本当に良い先輩だ。
「いや、大丈夫だ。俺の勉強にもなるしな。取り敢えず、始めるか?分からないところがあったら教えてやるから」
そう言って先輩は鞄の中から勉強道具を取り出した。それに倣うように俺も勉強する準備をする。科目は決まって数学。皆川先輩は常に数学で学年一番の成績を取っているからな。
通称兄貴と呼ばれる、皆川亮太先輩。生徒会役員の中で唯一部活――サッカー部に所属、しかもキャプテンをやっている。俺らなんか生徒会の仕事だけで手一杯なのに、この人は生徒会会計という俺らの数倍忙しい仕事をこなすとともに、サッカー部の練習も欠かさずでている。
「どうした、筧。手がとまっているぞ。何か分からないことがあったのか?」
そしてこの他人思いな性格。皆から“兄貴”って慕われるわけだ。まあ、この性格が仇になって、有理先輩に使われたり、浅井先輩のストッパーにならなきゃいけなかったり、苦労の絶えない先輩なんだが。
「あっと、このグラフなんですけど、何度やっても答えが違うんですよ」
昨晩俺が頭を捻らせた問題。1日置いて頭をすっきりさせれば解けるかと思ったが、甘かった。
「あー、これな。俺も去年つまずいたヤツだな…… ここまではお前の解き方であってるんだ。ここから先を……」
先輩の解説はわかりやすい。そりゃ、そこらの教師なんかより数倍な。本当に理解してなきゃこんな解説は出来ないと思う。
「で、最後にこの方程式を使えば…… ほらな」
「おぉ、やっぱり兄貴は凄いな」
感嘆の声をあげる。先輩は「お前もすぐできるさ」と言いながら嬉しそうに笑った。皆川先輩の笑顔は人を安心させる力がある気がする。言うなれば俺がここにいるのも先輩がいたからかもしれない。
「あ、そうだ。先輩、こんな時にいうのもなんだけど、お誕生日おめでとうございます」
俺がそう言えば照れくさそうに「ありがとう」と返してくれた。
****************************
皆川さんハピバ
筧と同時に書いてすっかり忘れていたよ…
本当にごめんなさい
にしても、皆川さん良い先輩だよな…
筧も懐くわけだ、納得
ではHappy birthday!皆川亮太
****************************
「兄貴、生徒会と部会の両立って大変じゃないんですか」
「大変だけど、どっちも好きだからな。だから続けられるのかもな」
「へぇ…… 好きな事との両立、か」
「お前が悪戯をせっせとやるのと同じさ」
いや、流石にそれとは違うだろ。

PR
皆川先~輩!
お誕生日おめでとうございます♪
はい、プレゼント(タオル)
そして記念日シリーズ、私もやろうかな