春の名物――桜。豪華絢爛でありながら小さく繊細な花。風に吹かれればひとたまりもなく静かに舞っていく。「花は桜、人は武士」と言われる程、昔からこの国で愛でられている花だ。
茜の家の裏庭の桜は今丁度見頃を迎えている。空を覆うような桜色は見飽きる事が無い程見応えがあるものだ。……俺の後ろの光景を気にしなければ完璧な光景と言っても過言でない。勿論気にしなければ、だがな。
「猩々緋」
後ろから茜の声が聞こえる。茜の可憐な声に目の前の桜。最高の酒が飲める光景ではないか。
「猩々緋、食べないの」
茜が俺の肩越しにひょっこり顔を覗かせた。普段ならとても美味しい状況だと思うのだが、状況が状況だ。素直に喜べない。
「俺はいい…… というか、何で花見に弁当なんだよ」
後ろを振り返ればいつもの面々が騒いで居るのが目に入る。花見に来てこれは何なんだ。
俺が振り向いたのに驚いたのか、茜は急いで後ろに下がった。俺の普段の行動が茜にそうさせてるのだから自業自得なのだが、若干傷つく。
「だってお花見って言ったら美味しい料理を食べながら桜を楽しむんでしょ?」
茜はきょとんとして首を傾げる。可愛いから何でも許しそうになるが、雅な俺としては譲れないところだ。
「いや、花見は花を見て愛でるんだよ。だから桜が中心だ。 ……まぁ、酒ぐらいはあっても良いが」
「ふうん」
俺の力説も虚しく、茜は熨斗目達の元へ戻って行った。全く、奴らが少しでも風流と言う言葉の意味を理解したらと、心から残念に思う。所詮は「花より団子」か。
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久し振りにして初猩々緋視点
自称風流人の変態です
こいつの思考回路は良くわかりません
まともかと思えば変で、変かと思えばまともだったり
取り敢えず、変態です
今日の風で桜が散らないことを願います
まだお花見行ってないので
(因みに我が家のお花見は猩々緋タイプです。食べ物もお酒もありません)
それはそうと、風のせいで電車が遅れています
学校に遅れないといいなぁ……

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