クリスマスパーティーまで後残すとこ2日……
この8日間、何もしていない訳ではないが、準備は難航している。昨日とかケーキの取り合いくらいしか記憶に残ってないしな…… 順調に進んでいるのは校内装飾だけで、パーティーの会場となり一番装飾の大変な体育館、パーティーの段取りがほとんど手付かずの状態だ。二年と一年の大半を校内装飾にまわしたからな。ま、そうでもしなきゃ装飾なんざやらない後輩なんだが。
「恭介も有理も段取りが良いんだか悪いんだか……」
「それはいっちゃ駄目だぞ!亮太」
すかさず美緒につっこまれる。この状況からもわかるように俺は美緒と体育館の飾り付けをしている。本当に嫌な作業だ。勿論、美緒との作業がではなく、二人だけで体育館装飾をするという無謀さが嫌だ。せめて後二人……いや、この際一人でも良いから手伝って欲しい。
「はぁぁぁ……」
「亮太ー?あんまり溜め息吐いてると幸せ逃げるぞー?」
いや、もう逃げてる気がするのだが。というか、楽天家で疲れ知らずに見える美緒が羨ましい。この楽天思考はどうすれば身につくのだろうか。
「美緒はこの無謀な計画のことを何とも思わないのか?」
「んー、そうだなぁ。確かに無謀だけど、楽しいからいいんじゃない?」
あー、忘れてた。生徒会の奴らは基本的に楽しければそれで良いという思考の持ち主だ。かく言う俺もその一人なのだが。
「でもこの広さを二人はいくら何でも無謀すぎるだろう」
広い体育館を見渡せば装飾が終わっているのはまさに氷山の一角だということが分かる。
「一時間でこれだけか……」
俺が溜息混じりに呟くと隣で作業していた美緒が動かしていた手を止め、クルリとこっちを向く。
「一時間でここまで進んだんだよ!てことは、このまま二人で作業してても明後日に間に合うよ。だから溜息なんて吐かない、吐かない」
屈託のない笑顔でそう話す美緒を見ていると溜息ばかりの俺が情けなく思えてくる。ま、もう一頑張りしてみようか。
「そうだな。それじゃ、もう一頑張りして今日のうちに半分終わらせるか」
「うん!」
まぁ、そのうちに援軍が来るだろう。
「兄貴ー、美緒ちゃーん。手伝いにきましたー」
「五月蠅いぞ晴輝。そんな声出さなくても聞こえてるって」
噂をしたらなんとか、だな。晴輝に筧、西園寺や怜や拓哉もいる。仕事が思うようにはかどらない俺達にとって願ってもない助太刀だ。
「あ、晴輝君に俊樹君、翔君に怜君に拓哉君もいる!」
彼らの姿が見えるなり仕事を投げ出して後輩の元へ掛けだしていった美緒を追いかける様に俺も彼らの元へ向かう。おそらく校内装飾が一通り終わったのであろう後輩は清々しい顔をしていた。
「皆川先輩、手伝いに来ました」
「ああ、ありがとう。それじゃあ…… 西園寺と晴輝と拓哉は美緒と一階の窓装飾を、筧と怜は俺と一緒にギャラリーの装飾を頼んで良いか?」
against the clock
(時間に追われてあと2日)
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Profile:RYOTA MINAGAWA
・皆川亮太(ミナガワリョウタ)
・3年B組31番、生徒会会計兼サッカー部キャプテン
・6月30日生まれ、AB型
・生徒会役員で唯一部活に入っている、浅井の幼馴染みで数学が得意と言うことで有理に強要され生徒会入り
・生徒会の苦労人。本人はその苦労を楽しんでいる様子。兄貴肌で後輩(一部)から兄貴と呼ばれている。浅井のストッパー

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